ブライダルのllms.txt設置率は10.4%|全業種平均6.8%の1.5倍

ブライダル916社のうち、llms.txtを設置していたのは95社、10.4%だった。全業種平均6.8%の約1.5倍にあたる。設置しているサイトの平均スコアは65.6点で、未設置の55.2点を10.4点上回った。ただしこれは因果ではない。評価帯別に見ると、B評価群の設置率が29.7%、C評価群が10.3%、D・E評価群が1.4%と、スコアが高い層ほど設置している。llms.txtは対策の成果というより、対策に取り組んでいるかどうかの指標として読むほうが実態に近い。
設置率10.4%は全業種平均の1.5倍
llms.txtは、AIクローラーに対してサイトの構成と重要ページを伝えるためのテキストファイルである。robots.txtと同じくドメイン直下に置く。
ブライダル916社での設置状況は次のとおりだった。
llms.txt: 95社(10.4%) robots.txt: 714社(78.0%) sitemap.xml: 716社(78.2%)
全業種3,205社ではllms.txt 6.8%、robots.txt 71.5%、sitemap.xml 72.0%だったので、ブライダルは3つとも上回っている。所属するサービス・生活セクター全体の設置率10.2%ともほぼ同水準である。
設置率が比較的高い理由は、ブライダルが予約サイトやSNSとの連携を前提にサイトを作る業界であり、技術的な新しい仕様への感度が相対的に高いことにあると考えられる。実際、JSON-LDの設置率44.2%、OGP78.8%も全業種を上回っている。
設置企業の平均スコアは10.4点高い
llms.txtの有無でスコアを比較すると、次の差が出た。
llms.txtあり95社: 平均65.6点 llms.txtなし821社: 平均55.2点 差: 10.4点
sitemap.xmlでも同様に、設置716社が58.5点、未設置200社が48.5点で10.0点の差があった。robots.txtは設置714社57.9点、未設置202社50.8点で7.1点差である。
ただしこれらを因果関係として読むのは誤りである。llms.txtを置いたことで10.4点上がるのではなく、llms.txtの存在を知って設置するような運営体制の会社は、構造化データや文章の書き方にも手が回っている、という相関と解釈するのが妥当だ。
ファイルを1つ置くだけで10点動くのであれば、この項目の配点がそれほど大きくない以上、計算が合わない。実際にllms.txtの判定に割り当てられている配点は、AIクローラーアクセス20点のうちの一部にすぎない。
評価帯別に見ると設置率は21倍の開きがある
916社をスコア帯で分け、それぞれの設置率を見ると差は鮮明になる。
B評価(70点以上)101社: llms.txt 29.7%、sitemap.xml 99.0% C評価(50〜69点)601社: llms.txt 10.3%、sitemap.xml 84.2% D・E評価(50点未満)214社: llms.txt 1.4%、sitemap.xml 51.4%
上位群と下位群では、llms.txtの設置率に21倍の開きがある。sitemap.xmlに至っては、下位群の約半数が未設置だった。
この数字が示しているのは、llms.txtが単独の施策ではなく、サイト運用全体の成熟度を映す鏡だということである。上位群の3割が設置している一方、下位群では214社中3社しかない。下位群にとっての課題はllms.txtではなく、その手前のsitemap.xmlである。
結婚式場のllms.txtには何を書くべきか?
llms.txtはMarkdown形式のテキストファイルで、サイトの概要と主要ページへのリンクを列挙する。結婚式場の場合、次の情報を含めると引用時の精度が上がる。
冒頭のサマリー: 会場名、所在地、挙式スタイル(専門式場・ゲストハウス・ホテル等)、収容人数の範囲、対応可能な挙式形式 主要ページへのリンク: 料金プラン、フェア日程、アクセス、施設概要、FAQ、実例集 各リンクへの1行説明: リンク先に何が書いてあるかを具体的に書く
重要なのは、リンク先のページに実際の情報が書かれていることである。llms.txtは案内板であって、案内先が空であれば意味を持たない。
本調査では、llms.txtを設置している95社のうちにも引用されやすさが低いサイトが含まれていた。ファイルの設置とコンテンツの充実は別の作業である。
設置の優先順位はどこか?
データを踏まえると、ブライダル事業者の着手順は次のようになる。
第一に、sitemap.xmlが未設置の200社(21.8%)は、まずそこから着手する。AI以前に、通常の検索エンジンに対しても不利な状態である。
第二に、引用されやすさの改善。業界平均は20点満点で4.69点、達成率23.4%と最も低い。質問形の見出し、冒頭での一文回答、FAQの設置、費用の数値記載の4点で大半が加点される。詳細は別記事(結婚式場サイトの97.5%が質問形の見出しを持たない)で扱っている。
第三に、llms.txtの設置。上の2つが整ったうえで置けば、AIクローラーに対する案内として機能する。設置率10.4%という数字は先行者利益があるように見えるが、参照先が薄いままファイルだけ置いても効果は限定的である。
なお、llms.txtは正式な標準仕様として確立したものではなく、対応状況はAIサービスによって異なる。設置コストが低いため試す価値はあるが、これだけで順位が動くと期待すべきものではない。
よくある質問
Q. llms.txtとは何ですか?
AIクローラーに対して、サイトの概要と重要ページの所在をMarkdown形式で伝えるテキストファイルです。robots.txtと同じくドメイン直下に配置します。正式な標準仕様として確立したものではなく、対応状況はAIサービスによって異なります。
Q. 設置すると10.4点上がるのですか?
上がりません。設置企業の平均65.6点と未設置55.2点の差は相関であり、因果ではありません。llms.txtを設置する運営体制の会社は構造化データや文章の書き方にも手が回っている、という関係です。判定上の配点はAIクローラーアクセス20点の一部にすぎません。
Q. どのタイミングで設置すべきですか?
sitemap.xmlの設置と、引用されやすさの改善が済んでからをおすすめします。llms.txtは案内板であり、案内先のページに情報が書かれていなければ機能しません。本調査でも、設置済みでありながら引用されやすさが低いサイトが確認されました。
Q. ブライダルの設置率が高いのはなぜですか?
予約サイトやSNSとの連携を前提にサイトを制作する業界であり、新しい技術仕様への感度が相対的に高いことが背景と考えられます。JSON-LD設置率44.2%、OGP78.8%も全業種平均を上回っています。
Q. llms.txtにはどこまで書けばよいですか?
会場名・所在地・挙式スタイル・収容人数の範囲を冒頭のサマリーに書き、料金プラン、フェア日程、アクセス、施設概要、FAQ、実例集へのリンクを1行説明つきで並べる構成が基本です。リンク先に実際の情報があることが前提になります。