ブライダル916社のLLMO実態調査|平均56.3点・A評価は0社

公開: 更新: 著者: 株式会社ドキドキ

結婚式場・ゲストハウス・ホテルウェディングなど916社のサイトを実測した結果、LLMO(AI検索最適化)スコアの平均は56.3点だった。全業種平均54.4点を1.9点上回り、100業種中4位である。ただしA評価(85点以上)は0社、B評価(70点以上)は101社(11.0%)にとどまり、逆にD・E評価(50点未満)が214社(23.4%)ある。最高84点と最低13点という開きが示すとおり、業界平均よりも業界内の格差のほうがはるかに大きい。最も弱いのは「引用されやすさ」で達成率23.4%、206社(22.5%)が0点だった。

ブライダル業界の平均点はどれくらいか?

916社の総合スコアは平均56.3点、中央値57点だった。最高84点、最低13点で、その差は71点ある。

評価の分布は次のとおりである。

A(85点以上): 0社(0.0%) B(70点以上): 101社(11.0%) C(50点以上): 601社(65.6%) D(30点以上): 187社(20.4%) E(30点未満): 27社(2.9%)

全業種の集計ではB評価が7.1%だったので、ブライダルは11.0%とやや高い。第1四分位が50点、第3四分位が64点、上位10%の境界は70点である。

注意したいのは、平均が全業種を上回っていることを安心材料にできない点だ。D・E評価が214社(23.4%)あり、4社に1社近くが50点未満にいる。業界として進んでいるのではなく、進んでいる会社と手つかずの会社が同居している状態である。

5カテゴリのうち、どこが弱いのか?

カテゴリ別の平均と達成率は次のとおりだった。

AIクローラーアクセス: 15.71/20点(78.6%) コンテンツ構造: 16.50/25点(66.0%) 構造化データ・メタ情報: 9.26/15点(61.7%) E-E-A-T(信頼性): 10.15/20点(50.8%) 引用されやすさ: 4.69/20点(23.4%)

「引用されやすさ」だけが極端に低い。20点満点で平均4.69点、206社(22.5%)が0点、満点はわずか1社だった。

一方で構造化データは満点が220社(24.0%)ある。ブライダルサイトはOGPやJSON-LDの実装率が比較的高く、これは予約サイトやSNSシェアを意識した制作が定着しているためと考えられる。AIクローラーアクセスも満点92社(10.0%)、0点は1社もない。

つまりこの業界は、技術的な下地は平均より整っているのに、文章そのものがAIに引用されにくい形をしている。詳しい内訳は別記事(結婚式場サイトの97.5%が質問形の見出しを持たない)で扱う。

全業種と比べて、何が強く何が弱いのか?

22の判定項目ごとに、ブライダルの合格率と全3,205社の合格率を比較した。

ブライダルが強い項目: title・description最適化 71.5%(全業種52.7%、+18.8) JSON-LD設置 44.2%(33.9%、+10.3) JSON-LDの型の妥当性 33.6%(24.2%、+9.4) sitemap.xml 78.2%(72.0%、+6.2) OGP 78.8%(72.7%、+6.1) llms.txt 10.4%(6.8%、+3.6)

ブライダルが弱い項目: 運営者情報の明記 85.3%(90.2%、-4.9) 統計・数値の記載 34.8%(38.1%、-3.3) 公開日・更新日の明記 17.0%(20.2%、-3.2) 見出し階層の整合 61.2%(64.4%、-3.2)

強い項目はすべて技術的な実装、弱い項目はすべて文章の書き方に関わるものだ。制作会社が納品時に整える範囲は平均以上に整っている一方、運用のなかで書き足していく情報が不足している、という構図が読み取れる。

業界内の格差はどれくらい大きいのか?

B評価101社の平均は74.0点、D・E評価214社の平均は40.9点で、その差は33.1点ある。同じ業界、同じ商材でありながら、AI検索から見た可読性は倍近い開きがある。

カテゴリ別に見ると、差が大きいのは構造化データ(14.5点対5.4点)と引用されやすさ(9.8点対1.3点)である。逆にAIクローラーアクセスは17.2点対14.6点と差が小さい。誰でも取れる項目では差がつかず、手を入れた会社だけが取れる項目で差がついている。

sitemap.xmlの設置率は上位群99.0%に対し下位群51.4%、llms.txtは29.7%に対し1.4%だった。下位群の約半数は、AI以前の基本的な設定の段階で止まっている。詳細は別記事(ブライダル上位101社と下位214社の差はどこにあったか)で分解している。

この結果は、業界平均を自社の現状の代わりにできないことを意味する。平均56.3点という数字は、11.0%の上位群と23.4%の下位群を混ぜた値にすぎない。

この調査はどのように行ったのか?

調査期間は2026年7月28日から7月31日である。

対象はGoogle Places APIおよびWikidataから収集した国内のブライダル事業者のうち、公式サイトのURLが確認でき、クロールに成功した916社。結婚式場、ゲストハウス、ホテルウェディング、専門式場などを含む。各社についてトップページ1ページと、robots.txt・llms.txt・sitemap.xmlを取得し、5カテゴリ・22項目を機械的に判定して100点満点で採点した。クロールはrobots.txtの指示を尊重し、User-Agentを明示して実施している。

留意点は4つある。第一に、評価対象はトップページのみである。ブライダルサイトはトップをビジュアル中心に構成し、詳細情報を下層に置く設計が多いため、実力より低く出る可能性がある。第二に、収集元の性質上、Web上で発見しやすい事業者に偏っている。第三に、判定は機械的なルールによるもので、内容の質そのものは評価していない。第四に、スコアが高いことと実際にAIに引用されることは別の問題である。

ブライダル事業者は何から着手すべきか?

データから導ける優先順位は明確である。

第一に「引用されやすさ」。達成率23.4%と突出して低く、改善に技術的な作業をほとんど必要としない。費用の目安を数値で書く、収容人数や挙式スタイルの選択肢を箇条書きにする、よくある質問をFAQとしてまとめる、各セクションの冒頭で問いに一文で答える。この4点で大半が加点される。

第二にE-E-A-T(達成率50.8%)。公開日と更新日の明記が17.0%しかないため、料金プランや空き状況のページに更新日を入れるだけでも差がつく。

第三に、sitemap.xmlが未設置の200社(21.8%)は、まずそこから着手する。平均スコアは設置済み58.5点に対し未設置48.5点で、10.0点の開きがある。

llms.txtの設置は上の3つが整ってからでよい。設置率10.4%という数字には先行者利益があるように見えるが、参照先のコンテンツが薄いままファイルだけ置いても効果は限定的である。

よくある質問

Q. ブライダルの平均56.3点は良い数字ですか?

全業種平均54.4点を1.9点上回り、100業種中4位です。ただしA評価は0社、D・E評価が214社(23.4%)あるため、業界として進んでいるというより、進んだ会社と手つかずの会社が同居している状態と見るのが正確です。

Q. なぜ構造化データだけ平均より高いのですか?

JSON-LD設置44.2%、OGP78.8%、title・description最適化71.5%と、いずれも全業種を上回りました。予約サイトへの掲載やSNSシェアを前提とした制作が定着していることが背景と考えられます。制作会社が納品時に整える範囲は比較的整っています。

Q. 引用されやすさが23.4%と低いのはなぜですか?

質問形の見出しが2.5%、FAQ設置が6.1%、冒頭での直接回答が19.8%と、いずれも低い水準でした。ブライダルサイトはビジュアルと来館予約への導線を優先する設計が多く、テキストで問いに答える構成になっていないことが要因と考えられます。

Q. 業界平均を自社の目標にしてよいですか?

おすすめしません。B評価101社の平均74.0点とD・E評価214社の平均40.9点では33.1点の差があり、平均56.3点はその中間値にすぎません。自社サイトを個別に計測したうえで、上位10%の境界である70点を当面の目標にするほうが実務的です。

Q. 自社のスコアはどうすれば分かりますか?

AIOプレスのLLMO診断(LLMO診断)にURLを入力すると、本調査と同じ5カテゴリ・22項目で採点し、改善提案を返します。無料で利用でき、本記事の平均56.3点や上位10%の境界70点と比較して相対的な位置を把握できます。